辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

当事者が関与できない海外送金の中継手数料

しばらく新生銀行を利用して外国送金をしていたのだが、インボイスの数字を必ず着金させることができないことに納得ができなかった。

インボイスの額が、100だったとして、現地に100を着金させるには、中継銀行の手数料を予め加えて送金する必要があるのだが、中継手数料がいい加減なため、実際には100+αを着金させるように融通していたのだった。

 

あるとき補助金を使った海外出願をしたとき、審査委員から、なぜインボイスの請求額よりも多く送金しているのか?という質問がきた。

このときの印象は、こちらがリベートを送ってキックバックをさせているのではないか、というニュアンスを匂わせるような質問であったため、疑いを払拭するために、新生銀行に問い合わせてみたのがことの始まり。

新生銀行からの回答も、外国送金とはそういうものだ、中継銀行はこちらでは関与できない、場合によっては、2つの銀行を中継することもあるから、数字通りに着金させることはできない、というものだった。

全く回答になっていないのだが、銀行業界の悪しき習慣で、このようなことについて特に疑問もないのだろう。

 

なかば諦めていたときにTransferWeissという海外送金サービスを知った。

外国資本のサービスなので疑心暗鬼だったのだが、ここの送金サービスは、中継銀行手数料が発生しない、ということを知り驚いた。

中継銀行を経由しない海外送金なんてあるのだろうか、と調べてみると、むかし小説で読んだ地下銀行の仕組みそのものだった。

つまり、日本側で円をプールし、米国でドルをプールし、日本から米国宛にドル送金の依頼があったら、米国にプールしていたドルを受取人の銀行口座に送金するという仕組みである。

レシプロとして、米国から日本宛に円送金の依頼があったら、日本にプールしていた円を受取人の銀行口座に送金する。

このネットワークを世界中に構築しておくのだが、これが違法かと言えば全く違法ではない。

そもそも、違法であれば日本のように規制が厳しい国でサービスを提供することなどできない。

 

これを知ったら、もはや伝統的な銀行を利用した海外送金を利用する気にはなれない。

いまのところ送金でしか使っていないのだが、被仕向地利用も試したみたい。