辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

優先権の回復という手続き

優先権を徒過した案件を対応しているのだが、どうも現地の反応が遅いというか鈍い。

優先権回復期間満了まで三週間を残して、ようやく出願指示がきた。

ただ出願指示があっただけで出願書類は未だに用意されていない。

日本の特許事務所の感覚だと、このスローテンポは全く理解できない。

 

特許事務所にとって期限内に手続きできない、ということはあってはならないことで、いかなる理由であろうが、期限を1日でも過ぎたら救済はない、というのがこれまでのあり方だった。

今回の優先権回復という手続きも、最近になって認められるようになった救済制度のおかげだが、実はこれまで救済手続きを経験したことは一度もない。

そんな手続きを今回、初めて経験するのだが、通常の手続きと異なる点は、こちらには何らの情報がなく、検討することも、提案することも、できないこと。

そんなわけで、徒過に至った理由書の作成を現地に投げてみた。

断片的な情報を貰っても、その真偽を確かめることもできず、ただ代書するだけなら、理由書の作成には関わらず、出来上がった理由書の翻訳に徹すればよい、という考えに至った。

例によって、未だに返事が来ないが、あまり気が乗らない。

こんな気分は初めてだ。