退職者が社内情報を持ち出す事件の報道をみると、外資企業の退職者に対する扱いを思い出す。
上海にいたときだったか、外資企業に務めていた社員の解雇事情を聞いたことがあるのだが、解雇を言い渡されたあとにできることは身の回りの整理だけになると言っていた。
PCを使うこともできず、もちろんデータベースにアクセスすることもできない。
解雇が当たり前の外資企業ならではの対応だが、この対応が社内情報の漏洩防止に役立っていることは間違えない。
日本企業の場合、即解雇ということは稀で退職を願い出て、その後、数ヶ月に渡って引き継ぎを行うのだが、これが情報漏えいにつながってしまう。
情報が電子化される前であれば、社内情報を持ち出すともなればファイルをコピーする必要があり、不自然な行動が目につくわけだが、情報が電子化されてしまった今、情報の持ち出しはワンクリックで済ませることができる。
情報の秘密管理はとてもむずかしいのだが、ほとんどの情報にアクセスできる日本企業の場合だと、秘密管理性を問われた時点で要件を備えていないことがほとんどではないだろうか。