辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

暗号資産は弁理士と親和性が高い

ビットコインのバブルが再来している。

これだけ急騰すれば投資先として興味を持つ人が増えるのも当然なのだが、暗号資産と聞いて弁理士が想起するのは暗号資産を支えている技術だろう。

暗号化やブロックチェーンに分散台帳化にスタビリティにフォーク。

これらの要素技術は、暗号資産が登場する前からすでに何らかの形で接している弁理士は多い。

暗号資産で使われている技術も、通信やコンピュータの発明に接していれば、これまで書いてきた特許明細書を思い出しながら、なるほどと理解できるものが多い。

スタビリティやフォークなどはパケット通信や、バイパス演算を思い出す。

スマートコントラクト技術も、ちょうどビジネスモデル発明が出始めたときに似ている。

これまで人手が行っていた処理をコンピュータ資源を介して行うのがビジネスモデル発明と特許庁が定義しており、ビジネスモデル発明が出始めた当時は、最終処理が課金であることが多かった。

スマートコントラクトも言葉が表しているように、単なる人為的な取り決めに過ぎなかったコントラクトをスマート技術であるブロックチェーンを利用して行うものであり、最終処理は決済である点でビジネス発明のそれと似ている。

 

新しいアルトコインがでるとき、どのような要素技術が使われているのかという視点でチェックしているのだが、高い技術力があるからと言ってそれが普及するとは限らないのは、VHSとベータ戦争のように、暗号資産も同じだろう。

現在のところビットコインが暗号資産のデファクトスタンダードだが、技術はすぐに代替されてしまう。

ビットコインが10年後にも存在しているとは限らない。