実態を知っているのだろうか今回の法改正

個人輸入の侵害擬制について、てっきり四法が対象になるのかとおもっていたのだが、なにやら商標のみが法改正の対象になるらしい。

個人輸入も侵害の対象に含めるということを知ったとき、一体、どのように法改正をするのかと期待を込めて帰趨を見守っていたのだが、商標のみが今回の法改正の対象になるらしいと知って改めて驚いた。

個人輸入という抜け穴を封じるということについて誰もが総論賛成だろうが、どのような法改正を実現するのかということについて非常に難しい問題である。

さて、今回、商標法のみが対象となるようだが、輸入実務からして、商標のみを対象にしても簡単に通関できてしまう。

商標侵害品の場合、現在でも、商標タグの部分切除で簡単に通関できてしまうし、近年の現地ECサイトでは、実際に発送する商品と、サイトで展示している商品とでは扱いを異ならせている。

ほとんどが中国来だが、実際に発送するときは、商標タグを切除している。

消費者もブランド品質の商品を買うことが目的であって、品質が担保されていれば商品本体に商標がなくても差し支えないという人は多い。

中国本国でも昔のように商標ブランドを見せびらかすというステージはすでに過ぎており、品質重視という日本と同じような市場に転換している。

そんな中国模倣品対策において、商標のみを個人輸入侵害擬制にしても、果たして実効性があるのだろうか。

せめて意匠権侵害品も対象にして欲しかったというのが感想である。

税関の水際手続きの限界もあり、個人輸入をどれだけ差止めることができるかについても懐疑的ではあるのだが、今回の改正の話しを効いてちょっとがっかりしたことは確かである。