トラブルは当事者が話し合って解決する.
解決できなかったときは裁判所で解決する.
だいたいの契約書に登場する常套句.
最後の砦となる司法解決に期待し過ぎていないだろうか.
裁判を経験したことがある人なら思い当たるところがあるだろう.
それは原告の負担が大きすぎること.
相手に何かをして欲しいという訴えを起こす場合、訴えを起こした側に課せられる手続きが多すぎるのである.
例えば、未払い債権.
債務者に支払いをして欲しいと訴える原告の手続きは、主張だけではなく、それを証明する証拠を用意しなければならない.
請求書があっても架空請求かもしれないから、何の対価としての請求なのかを証明しなければならない.
裁判は、請求により利益を得る方に立証責任を課すシステム.
だから原告がやらなければならないことが多すぎる.
請求だけで証拠が用意できなければ請求は認められない.
これが裁判というもの.
真実はどうであれ、裁判所は真実はわからない.
証拠を伴う主張を認めるだけ.
裁判で紛争を解決しようとするなら、常日頃から、証拠が用意できる環境を意識しなければならない.
最近は取引をメールのやりとりで行うことが多い.
証拠を残せるという点でとてもいい方法である.
なかには面倒なメールではなく電話をしたがる人もいる.
でも電話は辞めてメールに徹するのがいい.
いつトラブルがやってくるかわからない.
メールなら証拠を探し出せる.
書面での証拠が用意できなければ裁判は負け.