辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

海を失った興津という街

ロンドン狂瀾という本に興津の街が登場していたので興津まで輪行してきました。

旧東海道に沿って走ること15分、横砂を過ぎて興津宿に入ると、何となく北鎌倉に似た雰囲気の街。

興津は北に富士山のビュースポットで有名な薩埵、西には三保の松原、東には伊豆半島、南には今でも水が透き通っている興津川が注ぐ駿河湾など、多くの別荘地が集積していただけのことはあります。

むかしは清見寺の向かいにある坐漁荘から向こうが清見潟で、もし埋め立てしていなければ、江ノ電が東西に走る七里のような高級住宅街になっていたに違いありません。

「海のない興津に誰が魅力を感じるのか」という言葉を残して亡くなった水口屋当主の言葉のとおりになってしまいました。

坐漁荘に隠居していた西園寺公望のもとを詣でる多くの政財界人が利用した興津駅が街に馴染んでいます。

改修などせずに是非いまのまま残して欲しい。