辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

実務ができるのは当たり前、どうやって差別化するのか

久しぶりに琴線に触れた書籍にめぐり逢った. 普通ならスルーしてしまうようなタイトルなのに、なぜか虫の知らせがありました. マーケティング特有の市場の定義が目に入ったとき、またこの話かと思いながら読み進めていくと、「価値の4象限」という聞き慣れ…

本人訴訟のススメ

訴訟するなら弁護士を選任するというのが暗黙の了解. 訴訟手続きが細かすぎて代理人を立てずに訴訟に望むなどということは考えれない. というのがこれまでの認識だった. ところが実際に本人訴訟の口頭弁論を経験してみると、これまでの考えを改めなければな…

ディーラで入った自動車保険が使いづらい

自動車保険なんてネット経由で簡単に申し込める時代なのにわざわざディーラ保険に入ってしまったが運の尽き. どうしてディーラ保険にしたのかというと、担当営業マンに保険に入ってくれと懇願されて、まあ値段もそんなに変わらなかったので軽い気持ちで入っ…

特許は公開されるから嫌だという正しい誤解

異業種の集まりで特許が話題になることは(ほぼ)ないに等しい. 話題になるということは興味があり、それなりの知識があって成り立つものだから. そんな特許を話題にしてくれるありがたい士業の人がたまにいる. そのほとんどは「特許って公開されるから嫌が…

アライアンスが進む自動車業界の先は暗い

むかし日本のエアーで帰国したいと思い日本航空を予約したことがある. 鶴のマークの機体を想像していたのだが、ブリッジに接続されていたのはコードシェアの中国東方航空だった. これと似たことが自動車業界でも始まっている. 輸入車を買ったと思ったら中身…

資格剥奪の危機!経験より研修が重視される弁理士

「わかる」ことと「できる」ことに大きな隔たりがある. 勝間和代さんの本をパラパラめくっていたら、こんなフレーズが目に止まった. わかる人の頂点が学者であり、できる人の頂点が実務家. 弁理士は実務家だから、求められていることは実務ができること. そ…

昭和の名残、転出届はいつまで?#

転出届を出してきた. これまでの人生、一体、何回、転出届を出したのだろう. そして思うことは昭和の時代から全く変わっていないこと. もう21世紀になって四半世紀が過ぎようとしているのに、やっていることは昭和と何ら変わらない. 申請する自分は数年に…

居住者証明

シンガポールの代理人が、インドから報酬を源泉なしで送金するためには書類が必要だというメールが届いた. 海外送金はどこも厳しくなりつつあるのは知っているけど、あの中国でさえ、そんな書類を要求していない. しかも法律サービスは適用対象外の国がほと…

発明者の公開は個人情報保護の時代に反する

発明者を記載したくないという外国代理人からの出願指示がきた. 実務のプロだから発明者を願書に記載しなければいけないことは知っているはず. そんなプロから、そのような指示がきたということは、発明者情報を開示しなくても出願できる国があるのかもしれ…

会計ソフトに反映されるのが遅いクレカを断捨離

特許庁への支払い用に使っているクレカのスペックが悪いのが気になる 弁理士DCカード、JCBビジネスカード、三井住友VISAをメインに使っているのだけど いずれも会計ソフトへ反映されるまでの時間が長すぎる 事業用カードに求められるのは限度額が高いのはも…

再び陸マイラー

弁理士会から東京相談員の委嘱があり定期的に東京へ行くことになった これを機会にマイルを貯めることにした マイルを意識したのは上海にいた頃 最初はデルタAMEXのスカイマイル これは持っているだけでゴールドメダリオンが付与されるというスグレモノだっ…

私的使用のために複製する場合を複製権の侵害から除外しています スポーツ中継を昔の街頭テレビのように視聴させた場合と、大画面の映像装置を使用した最近のパブリックビューイングで視聴させた場合とでは、著作権法上、「街頭テレビ」は合法で、「パブリッ…

さくらのメールボックスでマルチドメインのメールアドレスの設定に戸惑う

メール専用のサーバとしてさくらのメールボックスを数年前から利用している 20Gを使えると謳ってあったのでGoogleより多いと喜んで契約したものの 蓋を開けると1メールアドレスあたり2Gが上限とのこと この程度の容量だと1年でほぼ一杯になる では20G…

特許とパチンコ

大手パチンコメーカが廃業というニュースで思い出したことがある news.yahoo.co.jp 20年ほど前のこと中京地区の特許事務所のクライアントを調べて驚いたのが パチンコがやたらと多いことだった しかも年間出願件数がやたらと多い 特許といえば半導体や通信…

使用注意、これを使ったら他は使えなくなるキーボード

HHKBを使いはじめて8年 これを超えるキーボードを探してはいるのだけど結局これに戻ってしまうという危ないキーボードなのである 15年前くらいに同業者に勧められた東プレは当時の自分には合わずだっだけど なぜかHHKBは最初から肌にあったから不思議 ど…

偽物を掴みたくないから公式サイトで買う、という人が増える気がする

日本で買い物をしている限り偽物を掴む可能性はとても低い. というのは過去のことになっている気がする. Amazonで買うつもりでコメントをみたところ、偽物が届いたようなレビューが目についた. Amazonというシステムがサードパーティを入れたときから、Amazo…

弁理士手帳カバーの残念なエイジング

弁理士手帳なるものが発売されていて、2015年に本革の手帳カバーを買ってみた. 通常のビニルカバーはいかにも安物だったので重厚感を期待しての購入. 革製品のエイジングが好きで、この本革カバーもエイジングを期待したものの予想に反して期待どおりの…

非居住者が出願人の場合の消費税

外国出願人が日本に出願する場合の消費税の扱いという質問があって答えに困ってしまった. 外内出願といえば、外国事務所から依頼を受けるものが典型的. 免税扱い. 根拠は? 困ってしまうのが、非居住者の外国事務所から依頼されてはいても、請求書の名宛が事…

裁判所は真実を発見するところではない

トラブルは当事者が話し合って解決する. 解決できなかったときは裁判所で解決する. だいたいの契約書に登場する常套句. 最後の砦となる司法解決に期待し過ぎていないだろうか. 裁判を経験したことがある人なら思い当たるところがあるだろう. それは原告の負…

トラブルに昇華させてしまうのが弁護士

えっ、こんなことで弁護士をつけるの? ということがあった. それこそ電話の一本で解決するのに、なぜわざわざ複雑な解決方法を選ぶのだろうか. 弁護士が身近になったとはいえ弁護士をつけるべきではない. 裁判にもならないような日常の揉め事. 菓子折りで解…

訴訟は避けるが勝ち

付記弁理士という制度が始まったとき、弁理士も訴訟代理人になれるということで話題になった. 付記がなければ弁理士に非ずという空気が醸成され、調べたことはないが付記弁理士の方が平弁理士より多いかもしれない. 侵害訴訟に興味がないわけではなかったが…

実務研修で実務は身につかない

コロナ渦のおかげで東京まで行かなくてもオンラインで研修を受けることができるようになったのはいいのだが、研修を受けたことによりクオリティが上がっているのだろうか. 研修があることはいいことだし、リアルではなくオンラインで受講できることも悪くな…

起承転結で説明する特許明細書

優れた発明も文章が稚拙であれば特許にならず. 稚拙な発明でも文章が巧妙であれば特許になる. 発明を文章で表現するときに、どのように頭を悩ませているのかを紹介してみようと思う. 発明を文章化するときの枠組みが存在しており、枠組みに従って発明を説明…

短文投稿のトレーニングを始める

目的もなく適当なつぶやきではフォロワーもつかず、かと言って気の利いたつぶやきもできず鳴かず飛ばずのTwitter. せっかくつぶやくなら、ということで短文トレーニングを始めることにした. 140字で起承転結は無理としても、言葉を選んで言いたいことを伝…

創業融資を完済して反省と希望

1000万円弱の創業融資がようやく完済した. なぜ創業融資を実行したのか、理由は3つ. 創業融資のチャンスは創業時しかない. 融資制度を身を以て体験したかった. 本当に融資が必要なときの信用を得るため. 創業融資のチャンスは創業しかない 創業融資とい…

発明は個性的なのに特許明細書は没個性的

先日、稚拙な特許翻訳が送られてきた. 日本特許庁に国内移行したあとに提出する翻訳文である. 最近は現地代理人が日本語の翻訳文を用意することが多く、今回も送られてきた翻訳文を提出すれば足りるはずだった. 提出するだけとは言え翻訳の抜けがないかくら…

信用取引が崩壊しつつある特許業界

売掛という日本では当たり前の商習慣 信用取引は日本以外では通用しないことはわかっているのに 外国出願人の手続きを売掛で行っている 特許業界では日本を含め世界中で信用取引が成立している珍しい世界 世界中の弁理士たちが長い時間をかけて築き上げてき…

柳川どじょうはどこへ行った

むかし行ったことがある柳川へどじょうを食べに行った. 記憶が曖昧で柳川風情がどこか忘れてしまい、ナビを頼りに市内を適当に走りようやく目的の場所にたどり着いた. よく見かける地方都市の荒廃感は柳川市も例外ではなかった. 週末にも関わらず人影はほと…

熊本の路面電車

どこへ行っても似たようなところが多い日本のなかで路面電車がある都市はそれだけで魅力的. 熊本市を走る路面電車は前回行った広島の充実した路線とは違うが、レトロ風な車両が城下町には合っている. 熊本市とここ静岡市を比較すると、政令都市、人口70万…

静岡と福岡の弁理士数が同じというのは本当か

都道府県別の弁理士数が対比された結果を見ると、弁理士数や一人当たりの便利指数は静岡と福岡でほぼ同じらしい。 todo-ran.com 静岡県民からみて福岡が競合するとというのが正直信じられなかった。 福岡は20数年前に暮らしたことがある街で、当時の記憶に…