リブラが頓挫している。
ビットコインのボラティリティリスクを研究してデザインされたリブラという通貨。
ちょっと気になるのが一民間企業であるFBが管理するという人為的な取り決めだが、それ以外は技術的にもビットコインをはるかに凌駕している。
世の中、数え切れないアルトコインが発行されているのに、なぜリブラが発行に至らないのかと言えば、あまりにもできすぎているから。
逆に言えば、現在、発行されている仮想通貨は致命的な欠点があり、既存政府の通貨主権を脅かす存在にはなりえないと見られている証左だろう。
リブラの教訓を生かすとすれば、次に発行される新規仮想通貨は、あえて欠点がある通貨ということになる。
爆発的な普及の恐れが当局の逆鱗に触れたのなら、PAYPAYのように0から開拓していく方法を採ればよい。
とにかく目立たないようにデビューし、気がついたらデファクトスタンダードになっていたという戦略が正しい。
良い技術が普及するとは限らないのはこの世の常。
日本でもファイル共有ソフトに絡む技術が著作権侵害を理由に規制されている。
これなんかは自国の技術を自国政府が潰してしまった例だが、日本初のOSと言われたトロンは米国による横槍が入ったという話もある。
リブラの場合は米国のIT産業なので米国政府が守ると思うかもしれないが、米国が最も大事にしている世界の基軸通貨の地位が脅かされると判断したのだろう。