辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

アマゾンマーケットプレイスの模倣品対策

アマゾンのマーケットプレイスが始まってから、中国から商品が送られてくることが増えたなあと思う。

最近のEMSは、中国発送なら一週間もあれば日本に商品が到着することもあって、ますます中国発送に拍車をかけている。

そこで問題なのが、商標権侵害などの模倣品である。

アマゾンを利用する人は、模倣品を積極的に買うというより、知らない間に模倣品を買ってしまっていることが多い。

 

日本で商標権が登録されて中国では商標権が登録されていない場合を考えてみる。

この場合、日本で商標が付された商品を許諾なく販売すれば商標権侵害になる。

中国で商標を付された商品を販売しても中国国内では侵害にはならない。

同じ商品でも製造・販売する国が異なるだけで、侵害にも非侵害にもなるのだが、この感覚は解りにくいと思う。

中国で製造された非侵害品を日本に輸入すると、日本の商標権の効力が及び本来であれば通関できないのだが、個人使用のための輸入であれば通関は開放される。

 

ようやく日本でも法改正が検討され、そろそろ中国から日本に発送される個人宛ての侵害品が通関できなくなるようだが、おそらくは知りながら輸入する行為が禁止されるだけだろう。

そうなると、ほとんどのアマゾン利用者は、侵害品であることを知らないで商品を買うわけなので、今回の法改正もザルということになる。

模倣品は上流で対策するほど効果が大きいので、ここはやはり中国から発送できないようにするための対策をとるしかない。

とは言っても現在のところ、これだという対策はないのだが、あるとすれば、中国でも商標を登録しておくことであろう。

中国の登録商標があるという効果は、中国で製造販売する行為の抑止力にはなる。

いままでのように、日本にしか商標権がない状態では、中国での製造販売は合法なわけだから、そこにくさびを打ち込むのである。

日本のアマゾンも、中国で製造された商品自体がすでに商標権侵害品であり、侵害品をマーケットプレイスで扱うということについて、アマゾンも黙っているわけにはいかないだろう。

模倣品対策で、今できること、それは、日本プラス中国の商標登録。