辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

三国間貿易はこれからどうなるのだろう

日本政府がタックスヘイブン税制を強化するというニュースがありますが、実体のない海外企業というのは何を指すのかが気になります。

中国に登記する日系企業の場合、香港を経由した三国間貿易をしているところも多く、その場合の香港法人はペーパーに近い企業も少なくないはず。

香港のタックスヘイブンの恩恵を受けたいというより、中国に資金が集まることのリスク回避なわけですが、運用によっては三国間貿易スキムを見直すところが出てきそうです。

2012年ごろだったと思いますが、本社機能をシンガポールに移転するコンサルのセミナに参加したことがありますが、そのときも和僑会会員を始め真剣にシンガポール法人設立を検討する在外日本企業が多かったのを覚えています。

IT長者が好むシンガポールの人気は当時凄まじく、シンガポールに住むこと=富裕層という図式ができあがり、実際にシンガポールに法人を設立して節税する会社も多かったと思います。

どこかのセミナで制度が変わればすぐに国外へ出てしまうような企業誘致はシンガポールは目指さないということを聞いたことがあり、その頃よりシンガポールが過熱する理由が単にタックスヘイブンだからということを当局も理解していたのだと思います。

近い将来、シンガポールも脱タックスヘイブンを強いれることは明らかですが、そのときに一体、どれほどの日本企業がシンガに留まるのか。

ASEANの中心とは言え、あれほど物価が高いところ、税金の恩恵なしで住み続ける理由はありません。

タックスヘイブン制度がなくなっても魅力ある国家で思い当たるところはなく、魅力がないからタックスヘイブンにしてヒト・モノ・カネを誘致するしかないわけです。

アメリカが先導してタックスヘイブン潰しに躍起になっていますが、一番タックスヘイブンの利益を受けているのはアメリカ。

大国というのはどこの国もセルフィッシュです。