弁護士と弁理士
名前が似ているし、知名度に圧倒的な差があることもあり、紛らわしい、名前を真似している、という声を聞くことがある.
紛らわしいというなら、司法書士と行政書士もそうだし、会計士と税理士も紛らわしいといえば紛らわしい.
弁理士と弁護士、紛らわしいというのは確かにそのとおりで士業以外が言うなら笑って受け入れるが、士業から言われると、笑っている場合ではない.
真似していると言うことは、弁護士にフリーライドしていることになり、これは断じて受け入れることはできない.
弁理士の歴史は旧く、もしかしたら、弁理士を名乗ったのは弁護士よりも早いかもしれないと思い調べてみた.
弁護士: 1893年に「代言人」に代えて「弁護士」
弁理士: 1909年に「特許代理業者」に代えて「特許弁理士」
弁理士の名付けが早ければ、真似してない!と言えたのに、弁護士の方が早かった.
外観、称呼が類似しているなら観念非類似で説明するしかない.
弁護は、その人のために申し開きをして,その立場を護ること、と説明されているのに対し、弁理は、物事を判断し処理すること、と説明されている.
弁護の弁は辯であるのに対して、弁理の弁は辨える、である、という説明になる.
しかし、弁護という言葉はあっても、弁理という言葉はない.
弁護するとは言っても、弁理するとは言わない.
こんな説明では、弁護士にフリーライドしている弁理士という世間の見方を変えることなど到底できない.
しかも、現在の弁理士は、弁護士の下位互換であり、とどめを刺さされたも同然である.
正々堂々と弁理士を名乗るためにも、まずは下位互換制度を廃止してもらいたい.