辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

銀行口座の断捨離

事務所を立ち上げたタイミングで開設した口座の解約を済ませてきた.

口座開設のときはもちろんメイン口座だったのだが、ご縁がなかったようで、数年前から休眠口座になっていた.

解約手続きを待っている間に、行内の様子を眺めなら、当時のことを思い起こしてみたのだが、何もわからなかった当時の方が今より何倍も楽しかったような気がする.

コロナで先行きに暗雲が立ち込めている今と比較しているのだから仕方がないのだが.

ニュースによるとドル円レートが120円になって、当時のレートに戻っている.

事務所の運営も為替のように上がったり下がったりを繰り返しながら進んでいくのだろう.

コロナで銀行が営業停止の上海

上海の代理人から送金の連絡があったがしばらくしても送金されない.

メールを送ってみたところ、

銀行近くでコロナ感染者が出たから銀行が営業停止してしまい、

送金処理ができない

 

という回答だった.

 

中国は本当に思い切ったことをする国というのは知っているが、コロナを理由に銀行を営業停止するというのは、日本の感覚ではなかなか理解しづらい.

www.sohu.com

上海タワーも封鎖されているという噂を聞くが、銀行という国営企業を封鎖しているからにはかなり深刻な状況なのだろう.

銀行再開の時期は不明とのこと.

ロシアといい、中国といい、海外送金を禁止している国がこの2つというのは偶然ではないような気もする.

特許庁から発送した登録証が中国の出願人に届いていないという

日本特許庁の暫定拒絶に応答してほしいという中国代理人からの依頼があったのが半年前.

費用をかけたくないということだったので、OAだけのワンタイム代理で引き受けることにした.

この場合、登録料納付、商標登録証の受け取りは行わず、中国側で対応することになる.

 

昨日、その代理人から登録証が届いていないというクレームがあった.

ステータスをみると一月半前に登録証が発送されていた.

現地代理人に伝えると、特許庁に確認して欲しいという.

特許庁いわく、中国の郵便事情で遅延しているのではないか、という回答.

 

登録証は普通郵便で出願人に直接発送したということだったが、コロナ禍とはいえ、中国なら一ヶ月もあれば届く.

 

日本特許庁に登録証が戻ってくれば再発送するという流れのようだが、そろそろ他国に倣って登録証は電子発行を採用した方がいい.

中国の白酒と日本の白酒

中国から商標出願の依頼をもらった.

簡体字の扱いに苦労はするものの、他の国に比べれば遥かにやりやすい.

 

指示書のなかに、「白酒」と書かれていたが、そのまま書いたら全く違う商品になってしまう.

日本にも白酒という商品があり、それは中国のそれとは違うこと、中国の白酒は蒸留酒の方がいいのではないかというコメントを返しておいたのだが、最終指示には、依然として白酒と書かれている.

単なるミスなのか、もしかしたらどうしても「白酒」を指定したいのかもしれない.

再びコメントを返したが、もし後者だと「中国の白酒」という記述がいいのかもしれない.

 

日本から中国へ出願するときも同じ問題が起こっていると思うのだが、担当者が気づかなければそれまで.

 

最近は改善されているようだが、日本から中国へ出願した特許明細書の翻訳が滅茶苦茶ということを聞く.

英文の参考明細書を送ってはいるが、中国語のチェックができず、登録になっていざ何かをしようとしたときに初めて中文の滅茶苦茶に気づくのだという.

 

何かアクションを起こさなければ滅茶苦茶な中文の特許に気づくこともなく、そのような特許に登録料を払って権利を維持しているのかもしれない.

11年前、上海で日本の3.11を知った

日本が地震だって.

阿姨から第一報を聞いたとき、珍しくない日本の地震を何でCCTVで大袈裟に放送しているのだろうと思いながら、テレビに目を向けると何かが爆発しているような映像が映っていた.

原発の映像というのはそのときはわからなかった.

CCTVは日本が終わったかのような悲愴な映像ばかりを流していた.

 

2〜3日後に日本に戻る予定だったが、当日までフライトスケジュールははっきりしなかった.フライト当日はダメ元で虹橋空港へ行ってみたが、チェックイン待ち行列がターミナルの外まで続いたいた.

ANAのプライオリティーチェックインで1時間ほどの待ちでチェックインできたけど、小さい虹橋の搭乗ゲートはやはり人で溢れていた.

 

搭乗すると隣の外国人が話しかけてきた.

東京の大使館の応援にいかなければならない.

東京は大丈夫なのか?

外交官もエコノミーを利用するのかと思いながら、東京と福島は離れているから大丈夫だ.

言ってはみたものの、小さい日本地図を見せながらの説明では全く信用してもらえなかった.

 

羽田に着いてからの東京は普段とそんなに変わらなかった.

モノレールの車窓は、しかし、何かがおかしかった.

浜松町に到着すると、エスカレータがストップしていた.

節電のためというアナウスが流れていた.

おにぎりがないコンビニに入ってさらに驚いた.

 

混沌として情報が入ってくると、これは本当にヤバいかもしれないと怖くなった11年前だった.

日本語ドメインに再び挑戦してみた

少し前、日本語ドメインが流行った時期があった.

SEOに効果があるとかいう理由だったと思うが、実際に使おうとすると、日本語ドメインは使い勝手が悪く、いま使う人はほとんどいない.

 

実は日本語.comを4年ほど前に取ったことがあった.

田中特許事務所.comというドメインで名刺で使うためだった.

 

名刺に余計な情報を書きたくなかったので、屋号に.comを加えるだけでウェブサイトの情報を加えることができるこの方法は気に入っていていたものの、当時は、日本語と英語のウェブサイトを同じドメインで運用していたこともあり、ドメイン転送で誤魔化したりもしたが、結局、使わなくなった.

 

いまになって再び日本語ドメインを使うようにしたのは、コーポレートサイトと、コンテンツサイトを分けて使うようにしたため.

コーポレートサイトは、外国代理人も見るので日本語ドメインは使えない.

コンテンツサイトは、ローカルサイトなので、日本語ドメインでも問題なし.

 

田中特許事務所.comを使おうとも思ったが、更新期限まであと僅かだったことと、comドメインが値上がりしていたので、値段が安い日本語.jpを使うことした.

日本語の場合、comよりjpの方が安いというのを今回はじめて知った.

出来上がったサイトはこちら.

xn--fiqui41jw6th9sdxdqr0c.jp

 

日本語ドメインを扱っているレジストラは少ないのだが、Googleドメインが充実している.

domains.google

日本語ドメインは、com、jpだけかと思っていたのだが、それ以外のドメインでも日本語で取得することができることを知った.

f:id:tanakaIP:20220319092936p:plain

 

ロシアからの特許料支払いがストップ

ロシアから非友好国の特許権者への支払いをストップすることをロシア政府が決めた.

ロシアからドル送金が出来ないのだから、この法令が出ても大勢に影響はない.

それにロシア企業との間のライセンス契約にも、不可抗力条項があるはず.

www.euractiv.com

契約に政府が干渉してくる国があるのは珍しいことではないとはいえ、紛争中にやるようなことでもないと思う.

 

知的財産侵害物品差止めの報道発表

税関から差止め状況の報道発表がありました、という連絡をもらいました.

www.mof.go.jp

ここ数ヶ月、東京税関をはじめ、複数の税関から差止め申立てを代理した権利者の写真を使用したいという打診を受けていました.

差止めの申立て自体はすでに数年前から行っていたのに今年になってなぜ画像使用の打診が増えたのかというと、それなりの差止め実績と身の回り品でわかりやすいということなのでしょう.

ただ各関から問合せがあり、その度に権利者にお伺いを立てることになるため、権利者からすれば毎回、どうして同じようなことを聞くのかと思っているかもしれません.

 

十数年前は報道発表を作る側にいたのですが、今回の報道発表は、自分が関わったペーパが発表されたときと同じような不思議な感覚でした.