辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

TPPは性善説

静岡信金で開催されたTPPセミナに参加してきました。

税関にいたという理由で貿易協定のことを聞かれることが多いので、TPPもフォローアップしておく必要があります。

すでに何度かTPPセミナに参加しているので概要は把握しています。

今回のセミナで違和感を感じたのが、原産地証明のこと。

日本と締結している従来のFTA/EPAにおいては、原産地証明は第三者である商工会議所が発給します。

原産地であることを第三者機関が証明するという当たり前のことですが、なぜかTPPは原産地であることを自己で証明するという制度になっています。

日本企業は真面目に申告するでしょうが、性善説を前提に制度設計している時点でとても違和感があります。

輸入国が申告書に疑問を持った場合に事後調査をすることを担保していますが、例えば、原産地証明書を作成した輸出国側の企業が倒産していたらどうなるのでしょう。

それに原産地証明を自分で作れと言われて作れる企業ばかりではないはず。

当然、証明書作成代行業者という存在が必要になってくるわけで、この当たりはパスポート認証をするのと同じような仕組み。

そうすると事実関係の証明ということで行政書士のテリトリーになりそう。

余り出番がない行政書士ライセンスを使って、原産地証明作成代行というサービスもありかもしれません。