辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

秘密情報の持ち出しが可能な日本

退職者が社内情報を持ち出す事件の報道をみると、外資企業の退職者に対する扱いを思い出す。

上海にいたときだったか、外資企業に務めていた社員の解雇事情を聞いたことがあるのだが、解雇を言い渡されたあとにできることは身の回りの整理だけになると言っていた。

PCを使うこともできず、もちろんデータベースにアクセスすることもできない。

解雇が当たり前の外資企業ならではの対応だが、この対応が社内情報の漏洩防止に役立っていることは間違えない。

日本企業の場合、即解雇ということは稀で退職を願い出て、その後、数ヶ月に渡って引き継ぎを行うのだが、これが情報漏えいにつながってしまう。

情報が電子化される前であれば、社内情報を持ち出すともなればファイルをコピーする必要があり、不自然な行動が目につくわけだが、情報が電子化されてしまった今、情報の持ち出しはワンクリックで済ませることができる。

情報の秘密管理はとてもむずかしいのだが、ほとんどの情報にアクセスできる日本企業の場合だと、秘密管理性を問われた時点で要件を備えていないことがほとんどではないだろうか。

富士宮白尾山から見る富士山

見知らぬところへ足へ延ばす目的は、将来の働く場所の下見。

行ったからといって常にいい場所に巡り会えるわけではないが、それでもここはという候補地が何箇所か頭に入っている。

今回は富士宮へ足を延ばしてみた。

富士宮といえば富士山を目の当たりにできる観光地が豊富だが、それは観光地として良いのであって実際に生活するにはやはりそれなりに不便である。

白尾山は存在すら知らず、初めて訪れた場所だったが、ここからの眺望は素晴らしい。

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白尾山を降りると新興住宅地が形成されているのだが、高台に位置しているこの付近は、前方に遮るものがない。

静岡は富士山を見ることができるポイントが多いとはいえ、生活地でこのような眺望はなかなかお目にかかれない。

優先権の回復という手続き

優先権を徒過した案件を対応しているのだが、どうも現地の反応が遅いというか鈍い。

優先権回復期間満了まで三週間を残して、ようやく出願指示がきた。

ただ出願指示があっただけで出願書類は未だに用意されていない。

日本の特許事務所の感覚だと、このスローテンポは全く理解できない。

 

特許事務所にとって期限内に手続きできない、ということはあってはならないことで、いかなる理由であろうが、期限を1日でも過ぎたら救済はない、というのがこれまでのあり方だった。

今回の優先権回復という手続きも、最近になって認められるようになった救済制度のおかげだが、実はこれまで救済手続きを経験したことは一度もない。

そんな手続きを今回、初めて経験するのだが、通常の手続きと異なる点は、こちらには何らの情報がなく、検討することも、提案することも、できないこと。

そんなわけで、徒過に至った理由書の作成を現地に投げてみた。

断片的な情報を貰っても、その真偽を確かめることもできず、ただ代書するだけなら、理由書の作成には関わらず、出来上がった理由書の翻訳に徹すればよい、という考えに至った。

例によって、未だに返事が来ないが、あまり気が乗らない。

こんな気分は初めてだ。

 

 

 

当事者が関与できない海外送金の中継手数料

しばらく新生銀行を利用して外国送金をしていたのだが、インボイスの数字を必ず着金させることができないことに納得ができなかった。

インボイスの額が、100だったとして、現地に100を着金させるには、中継銀行の手数料を予め加えて送金する必要があるのだが、中継手数料がいい加減なため、実際には100+αを着金させるように融通していたのだった。

 

あるとき補助金を使った海外出願をしたとき、審査委員から、なぜインボイスの請求額よりも多く送金しているのか?という質問がきた。

このときの印象は、こちらがリベートを送ってキックバックをさせているのではないか、というニュアンスを匂わせるような質問であったため、疑いを払拭するために、新生銀行に問い合わせてみたのがことの始まり。

新生銀行からの回答も、外国送金とはそういうものだ、中継銀行はこちらでは関与できない、場合によっては、2つの銀行を中継することもあるから、数字通りに着金させることはできない、というものだった。

全く回答になっていないのだが、銀行業界の悪しき習慣で、このようなことについて特に疑問もないのだろう。

 

なかば諦めていたときにTransferWeissという海外送金サービスを知った。

外国資本のサービスなので疑心暗鬼だったのだが、ここの送金サービスは、中継銀行手数料が発生しない、ということを知り驚いた。

中継銀行を経由しない海外送金なんてあるのだろうか、と調べてみると、むかし小説で読んだ地下銀行の仕組みそのものだった。

つまり、日本側で円をプールし、米国でドルをプールし、日本から米国宛にドル送金の依頼があったら、米国にプールしていたドルを受取人の銀行口座に送金するという仕組みである。

レシプロとして、米国から日本宛に円送金の依頼があったら、日本にプールしていた円を受取人の銀行口座に送金する。

このネットワークを世界中に構築しておくのだが、これが違法かと言えば全く違法ではない。

そもそも、違法であれば日本のように規制が厳しい国でサービスを提供することなどできない。

 

これを知ったら、もはや伝統的な銀行を利用した海外送金を利用する気にはなれない。

いまのところ送金でしか使っていないのだが、被仕向地利用も試したみたい。

 

紙の登録証は不要ではないか

今年になってから通関書類の電子化が義務付けられ、手書きのEMS帳票を制限することになった。

手書きを完全に拒否する国はいまのところ米国だが、いずれ多くの国が手書きはNGということになるだろう。

今回、台湾へ発送する登録証があり、さっそく帳票の電子化を試したのだが、これがかなり使い勝手が悪い。

結局、いままで通り手書きで作成したのだが、そもそもなぜ登録証が必要なのかと考えた次第。

登録証の効果は、せいぜい発明者が記載されることによる名誉的な効果にすぎず、登録証の存在を以て権利者であることや、権利が存続していることを証明することはできない。

それらを証明するためには、別途、登録原簿の写しを取得しなければならないわけで、そう考えると少なくとも日本において証明力がない書類をわざわざ費用をかけて海外に発送する意味があるのだろうかと思う。

手数料がシビアになり、海外発送費用を現地に請求しにくい現在、数千円をかけて一枚の紙をおくるのは気が引ける。

ステーブルコインで決済できる日

中国の代理人から海外送金が拒絶されたというメールが届いた。

拒絶の理由は、請求書に事務所名に(普通合伙)がない、とのこと。

ここの事務所宛ての請求書は、中国駐在時代からの付き合いということもあって、請求書の名宛を漢字で表記していたのだが、それが仇になった。

名宛を漢字で表記したのは今回が初めてではなく、日本に戻ってからもすでに5年間、同じスタイルの請求書で通用していたので、拒絶の理由も本質的なミスというより、単に海外送金が厳しくなったという国内事情だろう。

中国において、そういうことは日常茶飯事で、日本ならそのような対応があったら目くじらを立てるところだろうが、中国に関わる人は、みな慣れている。

 

さて話は海外送金のはなし。

中国に限らず日本でも海外送金は本当に面倒だし、手数料も高い。

ここ数年は、新生銀行の海外送金サービスを使っていたのだが、中継手数料が不明瞭であることと、やはり手数料が高いこともあって、今はTransferwiseの送金サービスを利用している。

 

海外企業のサービスなので、いつ日本から撤退するか分からないが、他の海外送金サービスに比べてとても使いやすい。

それでも、海外送金情報として、SWIFT、IBAN、ルーティングナンバーを指定してしなければならず、先日の米国代理人からの請求書にはルーティングナンバーが記載されておらず、調べるのに一苦労した。

 

USDやJPYといった管理通貨での送金に代わるものはないかと思っていた矢先、PayPalビットコイン決済を始めたとのニュースがあった。

興味はあるが、ビットコインボラティリティがゆえ、事業資金としてプールしておくにはリスクが高い。

そんななか、低ボラティリティを満足する仮想通貨が発行されたというニュースを見つけた。

ステーブルコインというUSDやJPYに連動する仮想通貨。

これならビットコインのようなボラティリティリスクがなく、事業決済にも十分に耐え得る。

 

デジタル通貨のイメージがだんだん湧いてきたが、決済や海外送金がいまよりも簡単になるなるだろう。

 

暗号通貨の機能の一つに、プログラマブルというのがあるが、これを工夫して新しい決済方法や送金方法という発明も生まれるだろう。

ちょうどビジネスモデル特許が出始めたころのように。

 

 

 

どこで書こうか

しばらくnoteで書いていた、というよりブログ記事をリライトしていただけだが、新鮮さを感じなくなってきた。

noteのコンテンツはかなりレベルが高いので、それなりの内容を書かないといけないという気持ちがある一方、コンテンツの評価が気になるようになってきて、気軽に書くという気分ではなくなってきた。

かと言って何も書かないわけにもいかないので、新しいプラットフォームを探していたところ、substackというサービスを見つけた。

アカウントを作ってみたところ、noteを始める前に使っていたmediumに似ている。

インポート機能があったので、noteの記事をsubstackに引っ越してsubstackで書いてみるつもりだ。

このはてなブログではもっと中庸な雑記を書いてみようと思う。

知財以外にも、もう少しゆるいコンテンツを書いてみるつもりだ。

iPhone4S

ソフトウェアアップデートの対象外になりました。

iPadミニも同じく対象外。

前回のアップデートで4が対象外に陥落したので、4S以降のハードウェアは共通なのかと思っていたのですが。

iPhoneはすでにドライビングカメラとして余生を過ごしているのでいいのですが、iPadミニは現役です。

さすがにキビキビ動くというわけではありませんが、完成度が高いアップル製品はバージョンが旧くても問題なし。

iPadミニの場合、バッテリの容量が多いので経時劣化の影響を受け難いのが助かります。