辨太郎日誌

特許・商標・意匠・著作権などなど知財を絡めて

特許原簿も万能ではない

裁判所や税関、警告書を作成するときにも必要な大事な書類が特許原簿. 特許料を納付すれば、それが特許原簿にも反映されるはずなのですが、 特許原簿に反映されない状態が約一年続いています. 事情を知っている当事者はよいのですが、何も知らない第三者は困…

迷惑駐車と特許権侵害の違い

横浜地裁の敷地内に放置されたクルマの処分が話題になっています。 kuruma-news.jp 私有地にクルマを放置することは他人の財産の侵害に過ぎないから警察は動けない. 特許権や商標権の侵害も他人の財産権の侵害に過ぎない、にも関わらず、こちらは警察が動い…

完成品と部品の価格逆転

部品を積算して完成品の大凡の価格が決まるのだから、 完成品より部品の価格が高いということなどありえないはず. 先日、クルマの買取査定を頼んだら、 10万円という査定額を提示してきたところがありました. それが30年前のクルマと聞けば、そんなの当…

古本の売買は中古車や中古不動産と何が違うのか

「古本の売り時」という番組がNHKで放映されたらしく、それに対して様々な意見がSNS上に飛び交っているようです。 www.j-cast.com 書籍の中古品売買は著作権に関する問題としてもよく話題になります。 そして、他の中古品と何が違うのか、著作物は特別に守ら…

意匠の特定の仕方で権利行使のしやすさも変わります

将来の権利行使を想定しながら、どのような意匠の特定が良いのかについて考えてみます. 意匠では、物品面から意匠を特定します. 物品が非類似なら意匠は非類似となり権利は及びません. 例外として、利用関係が認められれば、非類似物品であっても意匠の権利…

押印なしの委任状はやり過ぎ

特許庁に提出する書類の押印廃止は歓迎したいのですが、これに委任状も含まれるとなるととても違和感があります。 出願時に委任状が要らなくなったときもとても驚いたことを覚えていますが、提出する委任状に押印が不要となると、そんなので委任状の機能があ…

域外適用で模倣品を差止めるスゴ技

模倣品の個人輸入を取り締まるための改正案の予想は完全に外れました。 まだ改正法が発表されていないので推測の限りだが、おそらく間接侵害規定を変えることになるだろう。 「〜その商標が商標権者の許諾を受けて付されたものでないことを知りながら輸入す…

模倣品の個人輸入はモノを憎んで人を憎まず

これまで差止めの対象ではなかった個人輸入についても差止めの対象になってから、いままでは止まらなかった貨物が止まるようになってきています。 今回の法改正が施行されて、本当に「個人輸入」が止まるのかと懐疑的でしたが、実際に自分のところに届く認定…

45歳ではなくて50歳定年制にしておけば批判されなかったのかもしれません

サントリー社長の「45歳定年制」発言が波紋を呼んでいます。 会社に依存しない、という趣旨を表現するために、数字が小さすぎただけでの話で、 ここまで批判されるような内容ではありません。 役職定年を迎えた大先輩が語った一言がありました。 「こんな…

地方出身者が地方移住に思うこと

当時、上海の在外邦人はニューヨークを抜いて断トツの一位だった。駐在さんや企業家の他、さまざまな人たちが上海で暮らしていたのだが、その中でちょっと気になるのが感傷移住の人たち。 彼等彼女等は、日本での生活を断ち切り、上海に生活の拠点を移したの…

脱Google脱WordPress

数ヶ月前のGoogleアップデート以降、個人ブログが検索上位にヒットしなくなりました。 上位を占めるのは大手企業やアフェリエイトサイトばかり。 大手企業のコンテンツは間違いはないけど優等生的で無難なものばかり。 アフェリエイトはメリットばかりを全面…

実態を知っているのだろうか今回の法改正

個人輸入の侵害擬制について、てっきり四法が対象になるのかとおもっていたのだが、なにやら商標のみが法改正の対象になるらしい。 個人輸入も侵害の対象に含めるということを知ったとき、一体、どのように法改正をするのかと期待を込めて帰趨を見守っていた…

米国ローファームの外注先インドの代理人

マイナーなトラブルというものはつきものなのだが、今回のトラブルはちょっと経験したことがないので書き留めて置くことにする。 インドの代理人からの手続きの依頼があったのだが、必要な書類をリクエストしても全く的を得ない。 何度かコレポンをしている…

EMSラベルの電子化

これまで手書きだったEMSラベルが電子化されている。 前回の台湾宛EMSはラベル作成ソフトがうまく機能せずに手書きだったが今回は成功。 EMSが嫌だった理由の一つがラベルの手書き。 クーリエだったら住職録から発送先を読み出して印刷するだけにも関わらず…

アマゾンマーケットプレイスの模倣品対策

アマゾンのマーケットプレイスが始まってから、中国から商品が送られてくることが増えたなあと思う。 最近のEMSは、中国発送なら一週間もあれば日本に商品が到着することもあって、ますます中国発送に拍車をかけている。 そこで問題なのが、商標権侵害などの…

仮想通貨口座を開設してみた

経済を勉強するには株を始めるのが一番だと、むかし言われたことがある。 バブルのその当時、経済は右肩上がりが常識で、しかも日本は経済優等生。 なので経済にそれほど興味があるというわけではなかった。 バブルが弾け経済問題が深刻になると同時に経済に…

商標が機能しない日本酒

日本酒選びが難しいのは同じブランドにも関われず、製造年によって、同じ製造年でも桶によって、同じ桶でも店によって、味が変わってしまうところ。 水、米、空気、そして杜氏によって味が変わるのが日本酒。 商標には品質保証機能というものがあるのだが、…

技術的に優れているからと言って成功しないのは仮想通貨の世界も同じ

リブラが頓挫している。 ビットコインのボラティリティリスクを研究してデザインされたリブラという通貨。 ちょっと気になるのが一民間企業であるFBが管理するという人為的な取り決めだが、それ以外は技術的にもビットコインをはるかに凌駕している。 世の中…

暗号資産は弁理士と親和性が高い

ビットコインのバブルが再来している。 これだけ急騰すれば投資先として興味を持つ人が増えるのも当然なのだが、暗号資産と聞いて弁理士が想起するのは暗号資産を支えている技術だろう。 暗号化やブロックチェーンに分散台帳化にスタビリティにフォーク。 こ…

海外決済で暗号資産を使う日も近い

海外送金が年々厳しくなってくる。 ここ一ヶ月ですでに2度も外国からの送金がストップしている。 1回の決済額も1000ドルや2000ドルにもかかわらず、マネーロンダリング対策と称してやたらと行内ルールを厳しくしているようだ。 一昨年だったか、UA…

秘密情報の持ち出しが可能な日本

退職者が社内情報を持ち出す事件の報道をみると、外資企業の退職者に対する扱いを思い出す。 上海にいたときだったか、外資企業に務めていた社員の解雇事情を聞いたことがあるのだが、解雇を言い渡されたあとにできることは身の回りの整理だけになると言って…

富士宮白尾山から見る富士山

見知らぬところへ足へ延ばす目的は、将来の働く場所の下見。 行ったからといって常にいい場所に巡り会えるわけではないが、それでもここはという候補地が何箇所か頭に入っている。 今回は富士宮へ足を延ばしてみた。 富士宮といえば富士山を目の当たりにでき…

優先権の回復という手続き

優先権を徒過した案件を対応しているのだが、どうも現地の反応が遅いというか鈍い。 優先権回復期間満了まで三週間を残して、ようやく出願指示がきた。 ただ出願指示があっただけで出願書類は未だに用意されていない。 日本の特許事務所の感覚だと、このスロ…

当事者が関与できない海外送金の中継手数料

しばらく新生銀行を利用して外国送金をしていたのだが、インボイスの数字を必ず着金させることができないことに納得ができなかった。 インボイスの額が、100だったとして、現地に100を着金させるには、中継銀行の手数料を予め加えて送金する必要がある…

紙の登録証は不要ではないか

今年になってから通関書類の電子化が義務付けられ、手書きのEMS帳票を制限することになった。 手書きを完全に拒否する国はいまのところ米国だが、いずれ多くの国が手書きはNGということになるだろう。 今回、台湾へ発送する登録証があり、さっそく帳票の電子…

ステーブルコインで決済できる日

中国の代理人から海外送金が拒絶されたというメールが届いた。 拒絶の理由は、請求書に事務所名に(普通合伙)がない、とのこと。 ここの事務所宛ての請求書は、中国駐在時代からの付き合いということもあって、請求書の名宛を漢字で表記していたのだが、そ…

どこで書こうか

しばらくnoteで書いていた、というよりブログ記事をリライトしていただけだが、新鮮さを感じなくなってきた。 noteのコンテンツはかなりレベルが高いので、それなりの内容を書かないといけないという気持ちがある一方、コンテンツの評価が気になるようになっ…

iPhone4S

ソフトウェアアップデートの対象外になりました。 iPadミニも同じく対象外。 前回のアップデートで4が対象外に陥落したので、4S以降のハードウェアは共通なのかと思っていたのですが。 iPhoneはすでにドライビングカメラとして余生を過ごしているのでいい…

類似商標があった

先日出願した商標を何気にチェックしていたら、出願時の調査では見つからなかった先行商標がヒットしました。 見てみると外観類似は確実、称呼も濁点の有無の違いで類似。 やばいと思いながら商品区分を見ると、これも同じ。 万事休すかと思いながら、類似群…

シャープの知財管理会社

シャープの知財を鴻海との合弁会社で管理するというニュースがありました。 管理会社について気になることは、 業務内容に知的財産の出願・権利化とあること。 弁理士法に抵触するので国内出願はできないはず。 タックスヘブンのケイマンに親会社が登記され…